リジカルシンキングとは

リジカルシンキングとは


マンション

理事

ロジカル

シンキング

「リジカルシンキング」は、「リジ(理事)」と「ロジカルシンキング(論理的思考)」を組み合わせた造語です。マンション管理組合の理事が、限られた時間のなかで筋の通った判断を重ね、無理なく運営を続けていくための考え方を指します。同時に、理事の負担そのものを軽くしたいという願いも込めています。

かつてのマンション管理は、決まったことを決まった通りに進めれば足りる仕事でした。

いま理事会が抱えている難しさは、主に三つの変化から来ています。

理事の高齢化と、なり手不足

住民の高齢化とともに、理事の平均年齢も上がっています。若い世代は仕事や育児で時間が取りにくく、結果として一部の理事に負担が集中します。

住民の価値観の多様化

暮らし方も、管理にかけるお金への考え方も、以前より幅が広くなりました。全員が納得する結論を出すことは難しく、意見の調整そのものに時間がかかります。

建物の高経年化

築30〜40年を超えるマンションが全国で増えています。設備の更新や大規模修繕では選択肢も判断材料も多く、専門的な検討が避けられません。

いずれも、理事個人の努力では変えられない変化です。
だからこそ、変えられるのは進め方のほうだと私たちは考えています。

会議が短くなる

すべての議題に同じ時間をかける必要はありません。大規模修繕のように影響の大きい案件は慎重に、日常の小さな修繕は信頼できる業者へ速やかに。重要度によって手のかけ方を変えるだけで、会議は目に見えて短くなります。

合意が得やすくなる

数字と理由がそろっていれば、住民同士の対立は起きにくくなります。「なぜそうするのか」が共有されているかどうかが、話し合いの速さを決めます。

引き受け手が現れる

無駄な議論が減り、成果が見えるようになると、理事の仕事は「つらい当番」から「やってよかったこと」に変わります。次の担い手が見つかりやすくなることが、いちばん大きな効果かもしれません。

パレートの法則(80:20の法則)と呼ばれる経験則があります。成果の80%は20%の努力で得られ、残りの20%の成果を得るには80%の努力を要する、というものです。

理事会に当てはめれば、80点までは比較的すんなり到達できるのに対し、そこから100点に引き上げるには圧倒的な時間と労力がかかります。しかも、その追加の労力に見合うほど住民の満足度が上がるかというと、多くの場合そうはなりません。むしろ理事が疲弊し、次の担い手が遠のきます。

80点主義の四つの柱

時間効率

会議の時間を短くし、決めるべきことをその場で決める。

持続可能性

理事の負担を軽くし、運営を来期へつなぐ。

優先順位

重要な案件に集中し、限られた時間と費用を配分する。

実行力

完璧を待たず、必要な施策を早く実行する。

理事会運営で大切なのは、100点を取ることではなく、

適正な時間とコストで最大の成果を出すことです。

実際には、こう使います

80点主義は、案件ごとにかける労力をあらかじめ決めておくことだと考えるとわかりやすくなります。

理事会で目安を共有しておくと、毎回の議論が短くなります。

  • 大規模修繕工事
  • 機械式駐車場の存廃

基本はこの水準

  • 日常の小修繕
  • 備品の更新

100点

80点

60点

専門家の意見を取り、複数の案を数字で比較する。
時間をかけて合意形成を行う。

相場と他社条件を確認し、必要な範囲で交渉する。
完全な最適解までは求めない。

信頼できる業者へ速やかに依頼し、
理事会には事後報告で足りる。