国交省の「置き配ルール」資料から考える、マンションの玄関前ルール

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この記事で取り上げるトピック
国土交通省が公表している「置き配に関する使用細則を定める際のポイント」と、2025年3月27日付の「マンションにおける置き配の普及促進に向けた取組のポイントについて」を取り上げます。国土交通省の通知では、物流の「2024年問題」や人手不足を背景に、マンションでの置き配の取組を推進する必要があるとされています。

参照先URL
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001747696.pdf
https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/250317001889310.pdf

置き配は、便利さだけの話ではない

置き配は、すでに多くの人にとって身近な受け取り方法になっています。

仕事中でも、外出中でも、荷物を受け取れる。
再配達を減らせる。
宅配業者の負担も減らせる。

便利な仕組みである一方、マンションでは少し事情が違います。

玄関前や共用廊下に荷物を置くことは、個人の生活だけでなく、共用部分の使い方に関わるからです。

国交省資料が示すこと

国土交通省の資料では、置き配に関する使用細則を定める際の確認事項として、置き配サービスを利用できる時間帯、宅配物を置ける場所、置ける期間、置き配できない荷物、違反時の対応、責任の所在などを具体的に定めることが示されています。

つまり、置き配は「禁止するか、自由にするか」の二択で考える必要はありません。

大切なのは、どのような置き配なら認められるのかを、マンションごとに整理することです。

理事会で決めておきたいこと

理事会で話し合うなら、次のような点を整理しておくとよいです。

置ける場所はどこまでか。
玄関前だけなのか、アルコーブ部分までなのか。共用廊下にはみ出す置き方は認めないのか。

置ける時間はどれくらいか。
配達日当日中までなのか、24時間以内なのか。長期放置された場合にどうするのか。

置いてはいけない荷物は何か。
生もの、臭気のあるもの、発火や引火のおそれがあるもの、大型で通行の妨げになるものなどは、別に考える必要があります。

責任の所在をどう整理するか。
盗難や破損について、管理組合や管理会社が責任を負うのか、利用者の自己責任とするのかを明確にする必要があります。

避難経路をふさがないか。
国土交通省の通知では、消防法に基づき、廊下、階段、避難口等に避難上の支障となる状態で宅配物を放置することは禁止されていると説明されています。

禁止ではなく、使えるルールにする

置き配のルールづくりで難しいのは、便利さと安全性の両方を見る必要があることです。

すべて禁止すれば、たしかに管理は簡単になります。
しかし、ネット通販が日常になった今、置き配をまったく認めない運用は、住民の暮らしに合わなくなる可能性があります。

反対に、何も決めずに自由にしてしまうと、共用廊下に荷物が並び、通行や避難の支障になるおそれがあります。

だからこそ、理事会は、住民の暮らしを否定するのではなく、ルールを小さく整えることが大切です。

まずは、アンケートで実態を確認してもよいでしょう。

置き配を利用している人はどれくらいいるのか。
不安に感じている住民はいるのか。
宅配ボックスの不足は起きているのか。
玄関前に荷物が置かれて通行しにくい事例はあるのか。

置き配は、大きな制度問題ではありません。
けれども、暮らしの変化がそのまま理事会の議題になる、分かりやすい例です。

「あしたの理事会」では、こうした身近な変化を早めに受け止めることが大切です。
禁止か自由かではなく、安心して使えるルールにする。
それが、これからのマンション管理に必要な姿勢です。