この記事で取り上げるトピック
GOGEN株式会社が提供する、マンション管理会社向けチャットサービス「Chat管理人」を取り上げます。同社の発表では、マンションの管理規約、設備の取扱説明書、各種申請書などを読み込ませ、入居者からの質問や困りごとに自動で回答するサービスとされています。2024年には、最新モデルGPT-4oへの対応も発表されています。
参照先URL
https://chatkanri.com/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000077.000088419.html
AIは管理員さんの代わりになるのか
マンション管理でも、AIを使ったサービスが少しずつ登場しています。
「Chat管理人」は、マンション管理に関する相談や問い合わせにAIで対応するサービスです。発表資料では、管理規約や設備の取扱説明書、各種申請書などの情報を参照しながら、入居者からの質問に自動で回答すると説明されています。LINE版も提供されているとされています。
ここで理事会が考えたいのは、AIがすごいかどうかではありません。
本当に考えるべきなのは、マンション管理の問い合わせのうち、人が毎回対応しなくてもよいものがどれくらいあるかです。
繰り返しの質問は、仕組みで軽くできる
マンションでは、同じような問い合わせが何度も発生します。
粗大ごみはどこに申し込めばよいのか。
駐輪場の申請書はどこにあるのか。
ペット飼育のルールを確認したい。
リフォーム工事の申請期限を知りたい。
宅配ボックスの使い方が分からない。
こうした質問は、管理員さんや管理会社の担当者が毎回ゼロから答えるよりも、規約や細則、掲示文書をもとに、AIやチャットボットが一次回答する方が向いている場合があります。
一方で、AIに任せにくい相談もあります。
たとえば、騒音、漏水、住民間トラブル、緊急対応、規約の解釈が分かれる相談などです。
これらは、事情を確認し、管理会社や理事会が判断する必要があります。
導入前に理事会が確認したいこと
AIサービスを見るときは、便利そうかどうかだけで判断しない方がよいです。
理事会としては、次の点を確認したいところです。
管理規約や使用細則を正しく反映できるか。
回答内容を管理会社や理事会が確認・修正できるか。
個人情報や相談内容の扱いは安全か。
緊急時や判断が必要な相談を、人につなげる仕組みがあるか。
スマートフォンやチャットを使いにくい人への対応を残せるか。
AIは、管理員さんや管理会社を不要にするものではありません。
むしろ、定型的な問い合わせを減らし、人が本当に対応すべき仕事に時間を使えるようにする道具です。
AIに任せる仕事、人が残す仕事
これからのマンション管理では、人手不足や管理費の上昇がさらに大きな課題になる可能性があります。
その中で、すべてを人の努力で回し続けるのは難しくなっていきます。
「あしたの理事会」としては、AIを魔法のように考える必要はありません。
けれども、同じ質問に何度も答える仕事を減らせるかもしれないという視点は、持っておいてよいと思います。
理事の負担を軽くするために大切なのは、何でもAIに任せることではありません。
人が判断する仕事と、仕組みで軽くする仕事を分けることです。
